深夜の公園はいろんなドラマがあったり、なかったり・・・・・・・・。
「松本空港のボルダーは、貧乏人が行くとこなんでしょ?」
と言ったのは八ヶ岳ガイドのK藤さんですが、
あながち冗談でもありません。
常人は、「ロックジムほりえ」に行きます。
話はそれましたが、この夜の空港ボルダー
隣にバスケット&テニスコートなどあるので、結構夜遅くでも賑わっています。
で、来るんですよ。
「ブオーン」とけたたましい音を立てて、内装が紫色に怪しく光る
いわゆるヤンキーカーが。
その車から降りてきたと思われる女の子2人組み。
「ああ、こっち来るかな~」と思っていたら案の定、
茶髪でハイヒールの、長い付け爪つけたおねーちゃん達が
登ってる私の後ろにやってきました。
まあ、意味のない彼女らのチャライ会話を聞くのは割に好きなので、
そのまま、壁に張り付きつつ、聞き耳を立てながら
彼女らが去っていくのを待っていたのだけれど、
なかなか帰る気配がありません。
こっちも疲れて、いったんベンチまで戻ろうとすると。
クミコ(仮名):「いいカラダしてんじゃん、私のタイプっ」
私:「えっ?」
ケイコ(仮名):「明日も仕事あるんすか?」
私:「ええ、まあ」
クミコ:「おもしろそ~、あたいもできる?」
ケイコ:「ねえ、教えてあげてよ」
意外な展開に、気をよくした私も、
私:「その爪で大丈夫?じゃあねぇ、ここと、ここに手をかけて・・・・」
クミコ:「え~、ちょーむず~い、ストッキング破けちゃう~」
私:「じゃあ、こっちはどう?」
クミコ:「もうだめ~」
ケイコ:「ねえ、クミコ抱っこして降ろしてあげなよ」
私:「えっ?」
本来なら若いおねーちゃんと接する、またとないチャンスなので、
遠慮なく抱っこしてあげるのだけれど、
このときはなぜか、嫌な予感がして、腰だけ支えて降ろしてあげました。
ケイコ:「もっと簡単なところないの?」
私:「そうだねぇ、こっちはどう?」
クミコ:「ダメ、ダメできな~い、また支えてっ」
などと、意外なモテモテの展開に、こういうのも悪くないなと思い、
私:「今度、そこのKスポーツにおいでよ、優しく教えてあげるから」
と声をかけようとした瞬間、
公園終了時間で照明が消えてしまいました。
こうなると、もうクライミングどころではないので、
「う~ん、残念」と思っていたら、
ケイコ:「ケンジ、今日はだめだめ」
クミコ:「もうちょっとでアツシの出番だったのにっ!」
私:「えっ!」
よくみると、うしろの陰に彼氏らしい男2人組みの姿が・・・・・・・・・・・。
もしかして、新手の「美人局」だったのでは。
「ひぇ~」
あの時抱っこでもしていたら、
「俺の女に手だしたなっ!」なんて因縁つけられて、
ボコボコにされた挙句、あり金ぜんぶ取られてたかも・・・・・・・・・・。
そんなこと思いながら、そそくさと家路を急ぐのでありました。
おわり